酪農とはそもそもどんな産業なのか

当て字ではありますが、「チーズ」を漢字で書くと「乾酪」となります。「酪」とは動物の乳を使って作られたにごり酒のことです。このことからもわかるように、酪農とは牛などの乳を搾り、それを様々な食品に加工することを言います。ただし、厳密な意味はもう少し広く、動物を飼育し、より質の高い乳を得るために工夫するところまでが含まれています。
肉や革などを含め動物から得られるものを全般的に扱うのが畜産であり、酪農はその一分野です。重要視されるのは乳のみなので、肉牛は扱いません。あくまでも乳牛が対象になります。日本では明治時代まで乳製品は社会的地位の高い人にしか知られていなかったので認知されるのがかなり遅れましたが、世界的に見るとその歴史はとても古く、古代にまで遡ると言われています。

乳の加工は数千年続く人類の知恵である

動物の乳を利用するという行為は、人間が狩猟を覚えたときにはもう始まっていたと言えます。当初は肉を食料にするついでに乳を飲み、それから徐々に発酵させることを覚えていきました。一口に発酵させるといっても、少しやり方を変えるだけでチーズや酒、ヨーグルトなど様々な食品に加工でき、しかも栄養価が高いことから、その価値は非常に大きかったと予測できます。また、乳は肉や革などと違って繰り返し採取することが可能であり、資源の節約という観点から見ても大きなメリットがあります。この利点の多さが、乳の出を良くする交配や、搾乳そのものの技術向上につながったのでしょう。現在は乳製品の存在しない生活など想像できないほど供給されていますが、そこに至るまでには数え切れない程の試行錯誤があったのです。

日本における酪農は比較的新しい産業

乳牛や肉牛は寒冷な地域での飼育に適しており、東北地方などで盛んです。日本に乳製品が入ってきたのは6世紀ごろですが、長い間広く知られることはなく、作られていたのは将軍などほんのひと握りの人が口にするぶんだけでした。日本で庶民に知られるようになるには、明治時代まで待たなければなりません。1863年に横浜で、前田米吉という人が初めて搾乳所を開きました。
それから時代が下るにつれて食の欧米化が進み、乳製品の需要はどんどん増えて行きましたが、現在は栄養を調整した商品が開発されることも増えたため、逆に純粋な乳が余るようになり、問題視されています。現時点での乳牛は改良が進み、多いものでは一頭あたり60キロもの乳を得られる一方、搾乳をしなければ乳房が炎症を起こしてしまうということも悩みの種です。

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