酪農の一日は、朝はまだ暗い時間から作業を始めます。牛一頭当たりにかかる労働時間は年間に換算すると、約117時間で、日常の作業は夫婦で分担するのが一般的となっております。
一日の作業の中で最も大切な作業は搾乳で朝・夕の2回合計6時間を費やします。
朝は暗いうちから作業をはじめ、乾草・サイレージを給与して、牛の出す乳量に応じて濃厚肥料を与え、餌やり後は、搾乳を開始します。ミルカーという機会をセットして、何十頭もの牛を夫婦で搾乳していきます。
奥さんは、ミルカーの洗浄が済んだあと、子供の世話や食事の支度など家庭のことを行い、主人は糞尿の処理や、牛舎の清掃をして、朝の作業を終えます。夕方からも朝と同じ作業を行います。これが一般的な作業の流れとなります。
お産の世話や飼料づくりも酪農の仕事
朝夕の作業の他には、牧草地や飼料畑での飼料づくりも酪農のお仕事となります。早春に牧草地に費用を与えて、トラクタを使って収穫した後は牧草はサイレージにして保存をします。
収穫した後は、畑を耕して、夏にはトウモロコシ類の栽培、秋にはそのサイレージを作ります。年間のうちこの作業には約600時間を費やすことになります。
また、お産の世話も必要となります。お産の世話については、昼夜問わずに看護しなければいけません。無事が生まれたら、その直後は、濡れた身体を拭いてあげて、初乳を与えるなど、面倒を見てあげることも必要となります。
美味しいミルクを作るためにはおいしい餌を作る必要があり、さらに、日ごろから愛情をもって牛を育てていくことも重要なお仕事になります。
ミルカーの仕組みと保存の仕方について
搾乳する際にはミルカーという装置を利用します。牛の乳房には4本の乳頭があります。それぞれ各乳頭から乳がでます。
ミルカーの原理は、子牛が母牛の乳頭を舌を巻くように口に含んで、乳頭を圧迫すると同時に陰圧を作ってミルクを飲むので、その原理を応用してミルカーで搾乳を行います。
乳頭に内側がゴム製のチューブがついた4本のステンレス製などで作られたものを付け、搾乳に適した真空とマッサージの圧力が交互に生じるように、カップ内の新空圧を調節しながら搾乳を行います。
ミルカーの種類は乳を搾乳間へ一時貯蔵するバケットミルカー、搾乳した乳をすぐにパイプで自動で送るパイプラインミルカーというものがあります。
搾乳したあとは、牛乳の貯蔵タンクと冷却器を組み合わせたバルククーラーというもので貯蔵します。