酪農の経営には大きく分けて2種類あります。まず、最も一般的な経営手段はコマーシャル・デイリーと呼ばれるもので、これは搾りを専門に経営します。次に、子牛を育てて販売する経営法があり、ブリーダーと呼んでいます。ブリーダーでは、将来的に多い乳量が望める子牛を育てることが目標になります。その際、病気がなく健康な牛であることも必要です。また、どちらの経営でも、優良と認められるホルスタインの体型は決まっています。そして初産乳量が多くても虚弱体質では困りますし、逆に体型が良くても少ない乳量しか出ないなら経営が成り立ちません。従って長命で、しかも乳量の多い牛を見極めることが重要となります。連産に耐えられる牛であることも大切です。その他、搾り以外にショーに出品するという経営法もあります。
将来収益を上げるためには子牛の管理を徹底する
酪農の経営では、牛の育種と管理が重要な要素です。育種の現場では、検定済み精液を購入して使用します。基本的に、全てが泌乳能力プラスの種雄牛です。しかし潜在的な泌乳能力はあっても、実際に発揮されなければ意味がありません。そこで、育種の作業が大切になります。栄養と管理をしっかり行うことで、泌乳能力を開発していきます。それには飼料の栄養面を管理し、それぞれの発育ステージに適した栄養を与えるべきです。安易に低価格の飼料を使うことで、子牛の発育が遅れてはいけません。特に子牛は、成牛に比べると胃の容積は小さいです。そのため高い栄養価を持った飼料を与える必要があります。またホルスタインは、気温の変化に強い方ですが、子牛の間は温度管理にも十分注意を払うようにします。
収益を上げるために注意すべき事柄
酪農経営で収益を上げるためには、初産乳量に注目するよりも、生涯乳量を考えるべきです。なぜなら初産乳量が多かったにも関わらず、二産目乳量が少ないケースがあるからです。さらにホルスタインの改良も必要になります。改良には産乳能力の向上を目指したものと、長命連産を目指したものがあります。この時、体型の改良が重要な要素になります。長命で連産できる牛には、決まった体型があります。例えば心肺機能が発達しているためには、胸底幅は狭いよりも広い方が好ましいです。広い胸底幅を持った牛は、全体的に丸みを帯びているのでわかります。日頃から牛の体型には注意を払い、栄養面に偏りのない飼料を適量与えるようにします。そして、常に適度な運動をさせることも忘れてはいけません。